本好き日記

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東京・自然農園物語

東京・自然農園物語 山田 健 ¥ 1,680 草思社 (2007/3/24) 最初から、話の展開が読めるといえば読める。登場人物の設定にも著者らしさが感じられるて面白い。文句なし、癒し系エンターテイメント作品。週末、仕事に疲れた体と頭で読むには適した一冊。状況設定は、バブル真っ盛りの東京。都心の安アパートの所有者の老人が亡くなる。アパートに住んでいるのは、コピーライターのヤマケン、浪人6年留年4年という学生の直也、 ヤクザの渡辺さん、スナック「毒」のママ、マサミさん。この個性的な4人に、老人はアパートを含む土地4000坪を相続させるという。ただし、条件がある。それは、4人が欠けることなく5年間、有機農業を営むこと。アパートの周りには、畑と池、雑木林があるのだった。都心の土地4000坪に目がくらんで、その条件を承諾する4人だが、誰も農業の経験などない。それぞれが持ち味を活かしながら、でこぼこ試行錯誤をしていくというお話。思ったより畑仕事は辛い。タネを撒いてみるが、土壌がやせているために虫に食い散らかされてしまう。農薬を使ってはいけないという条件なので、自分たちの排泄物から堆肥を作ろうとする。近所の人たちにはエンガチョ扱いされ、子どもたちにはバカにされる。しかし、辛いことばかりではなかった。老人は生前に、彼らにたくさんの贈り物を用意してくれていた。ただの林だと思ったものは、実は豊かな果実をもたらしてくれ、竹林からはたけのこがとれる。山芋、きのこ、そういった豊かな実りが、この土地には隠されていた。とれた作物の無人販売をはじめ、そこはコピーライターのヤマケンが大活 躍。万引きなどのトラブルも織り込みつつ、次第に周りの住人たちの理解、共感もひきだしていく。自然の描写がいい。夏の夜のカエルたちの交尾。とれたてのたけのこの味。排泄物が堆肥として生まれ変わる過程。実りをもたらす雑木林。最初、約束の5年が終わったら土地を切り売りしようと考えていた4人が、いつのまにか「自然農園」の共同経営者として連帯を深めていく過程もよい。予定調和ではあるが、予想通りに終わってくれてよかったと思える。「県庁の星」のような作品が好きな方には絶対におすすめ。
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