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裁判員制度の正体

裁判員制度の正体 西野 喜一 ¥ 756 講談社 (2007/8/17) 理路整然とした文章で、大変読みやすい。あまり知られていないが、実際に始まると私たちの生活に重大な影響を及ぼしかねない制度のことなので、ぜひご一読いただきたい。裁判員制度とは、普通の一般人がある日いきなり裁判所から呼び出しを受け、裁判に参加し、判決を下す側になる、というもの。もともと国民が望んだものではない。制定された経緯も、この本を読む限りでは必要に迫られてというものではない様子。原案を出した司法制度改革審議会には、法律の専門家は半数以下しか参加していなかった。残りは、制度の導入という結論ありきという態度で審議会に臨んだので、制度の問題点や違法性は議論されていないままである。それなのに、2009年までには実施されようとしているこの制度。ちなみに、本書によると、判決というものは裁判官が「憲法及び法律にのみ拘束」されて下すものである。そこに素人の意見が混ざるのは違憲である、という見地に立っています。私たちがもっとも気になるのは、もし裁判員に選ばれたらどうなるのか、ということ。裁判員に選ばれるのは基本的にくじ。義務教育を終えている、ということが条件なので、誰でもその立場に 立つ可能性はあります。選ばれると、最初に質問状を書かされ、面接を受け、この時点でプライバシーが簡単に暴かれることになる。そして、裁判員が関わる裁判というのは軽微な犯罪のものではない。殺人、強盗などの重い犯罪のもののみ、という決まりがある。そういった犯罪は、判決が出るまでに時間がかかることが通常だ。一日中拘束される日が少なくとも二週間は必要かと書かれている。これはきつい。また、犯罪の詳細な状況を聞かざるを得ないので、精神的に非常につらいものがある。その秘密を漏洩すると罰金などの処罰が下される。裁判員自身の身の安全も保証されてはいない。巻末には、裁判員として呼び出されたときの断り方が書かれていて、これだけでも一読の価値は十分にあると思う。著者いわく、呼び出し状は「犬が食べてしまった」と言って、知らないふりをするもの手だそうだ。とはいえ、気になったこともある。著者はやたらと裁判員を「素人」扱いし、プロである法律家に任せておいて何の問題があるのか?と問いかけている。「いまのわが国において、裁判官だけの審理、判決では信用できない。あるいは国民感情から離れているということがあるで しょうか?」この一文には、山口県光市の母子殺害事件の件を問うてみたい。制度の未熟な点、話し合いが不十分な点はわかる。しかし、何の問題もないというのはどうなんだろう。
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