本好き日記

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バチカン・エクソシスト

バチカン・エクソシスト トレイシー・ウィルキンソン ¥ 1,750 文藝春秋 (2007/05) 今流行のスピリチュアル本ではない。著者はジャーナリスト。イタリアで、この現代に活動しているエクソシストの実態を追ったノンフィクション。エクソシストというと、どうしてもあの映画を思い出してしまう。それにしても、現代に本当に悪魔と戦う人がいるのか?だが、イタリアでは実際に、「美容院に行くのと同じくらい」の気持ちでエクソシストのところに来る人がいるのだとか。そして、映画みたいに一回で悪魔を追い払うのではなく、虫歯の治療のように、長年通っている人がほとんどなのだそうだ。エクソシスト。彼らはカトリックの司祭である。では、教会は彼らのことをどう見ているのか?教会はエクソシストの存在にいい印象を持っていない。疑惑と、困惑をもって見ている。いわば、エクソシストは教会の異端であるのだ。本書では、数人のエクソシストたちの横顔を垣間見せてくれるが、中にはエクソシストの立場にあることに疲弊している人物もいる。もちろん、まじめにその仕事に向かっている人もいる。アルモス神父は精力的に悪魔祓いを行い、たくさんの人を救っている。国際エクソシスト教会を発足させ、イタリアで20人しかいなかったエクソ シストを350人ほどに増やすことに尽力した。そのエクソシストたちの大部分の見解としては、本物の悪魔憑きは非常にまれだと考えている。セラピスト、という印象が強い。「蚊に刺されてかゆい」とパニックになって電話してくる信者もいるらしい。現代キリスト教会も、「悪魔祓いを行う前に、依頼してきた人物が精神的、もしくは肉体的な病気ではないことを確認しなければいけない」という見解を譲らない。この辺は微妙で、医者の立場からしてみると、悪魔に憑かれたと思っている人たちは解離性障害だとも考えられるのである。イタリアでは、精神病と診断されることが非常に不名誉であるらしい。それがエクソシストの存在する土壌であるような記述もある。また、科学の発達で教会の権威が揺らいだこと。そのせいでオカルトや迷信めいたものが流行していることに関係があるのか、と著者は言う。教会も、信者の話に耳を傾ける司祭は少ないらしい。信じていた宗教の「揺らぎ」のようなものが、人々に不安を与え、そこに悪魔の存在を見るのだろうか?悪魔に憑かれた人たちは、教会を恐れ、十字架におびえ、信仰から目をそむける。それはヒステリーであり、 強迫観念である。針を吐き出したりする人もいるようだ。結局、エクソシストの是非には触れていない。事実を淡々と述べる書き方には好感が持てる。悪魔祓いの歴史から、現代キリスト教の置かれている立場まで、よく書かれた本。
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