本好き日記

本好き腐女子の読書日記を綴るブログです!

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ

字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ 太田 直子 ¥ 735 光文社 (2007/2/16) 最近の新書はタイトルのつけ方が面白い。言葉一つで売れ行きも変わってくるから考える人も大変です。と、いうわけで、言葉一つで四苦八苦しているこちらの本。まったく知らない世界のことだったので、とても面白く読めました。著者は映画の字幕をつけるお仕事をされている。そのお仕事の中で感じたこと、字幕をつける作業の裏側などを書いたエッセイ。ただ翻訳すればいいというものではない。字幕を訳すとき、言葉の数、文字の数というのが非常に制約されるのが大変だ。字幕が5行も6行もあったら映画、観れない。たとえば、下の台詞はこうなる。男「どうしたんだ」→5文字以内に。女「あなたが私を落ち込ませるのよ」→5文字以内に。男「僕が君に何かしたか」→5文字以内に。字幕にすると 男「不機嫌だな」 女「おかげでね」 男「僕のせい?」 なるほど。ちなみに、著者は読点である「。」の使い方にも頭を悩ませている。「。」ひとつで一文字である。一文字を入れる、入れないで相当に悩むのに、情報としては意味のない読点を入れるのは非常に損であるように思えるようだ。そして、「!」や、「?」も同じ。しかし、叫んでいる様子を表すのにはやはり「!」が必要、と頭を悩ませている。また、一人称の問題もある。女性の場合、「私」で済むが、男性は「僕、おれ、私」と、一人称を変えるだけでキャラクターの性格まで決めてしまうことになる。キャラクターの位置づけまで字幕担当が決めることになるのだから、気を使う。笑ったのが、禁止用語についての話。視聴者からのクレームを恐れるあまり、自主規制が多くなる業界。ちなみに、絶対に使ってはいけないA級禁止用語がある。それは、「き○○い」という単語。一度、「まるでき○○い騒ぎだ」と訳したのを修正しろといわれて、かなり抵抗したことがあるそうだ。また、ドストエフスキーの名著、「白痴」。これがそのものずばり、A級禁止用語。しかし、台詞の中でこの作品の名前が出たから大変。天下の公共放送とやり合って、なんとかそ のまま通したとか。本にも書いてあるが、この「白痴」。パソコンの変換では一発で出ないんですね。知らなかった。変換機能まで自主規制なんて、徹底してるなあ。言葉を扱うお仕事だけに、日本語の乱れも気になる。上品ぶった「おソース」などの「お」の使い方、メールの文章にも触れている。また、映画を売るために、字幕を改変(改悪?)せざるを得ない状況があること。若手の翻訳者が使い捨てにされている状況。状況を読み取ることが難しい人が増えて、説明ばかりが多くなること。映画ファンなら気になる話もたくさん書かれている。今まで何の気なしに読んでいた字幕。この本を読むと、さらりと流せなくなりそうだ。映画ファンなら必読の一冊。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://bookoyaji.blog64.fc2.com/tb.php/139-809b89db
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。