本好き日記

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自虐の詩

自虐の詩 業田 良家 ¥ 1,200 竹書房 (2007/8/24) 安部寛と中谷美紀で映画化された漫画。安部寛、パンチパーマでいい味出してます。この漫画、かなり古い相当昔の話だ。森田幸江と葉山イサオは小さな古いアパートで暮らしている。一部屋で、玄関のすぐ横に台所のあるぼろアパートだ。イサオは無職。幸江が中華料理店でアルバイトをして暮らしを支えている。イサオは乱暴者で、ご飯がまずい、ビールがぬるいと言っては食事のならんだちゃぶ台をひっくり返す。パチンコに行くために、なけなしの生活費を持ち出してしまう。そんなイサオに徹底的に尽くす幸江。となりの部屋のおばちゃんにお金を借りてでも、イサオに遊びの資金を渡してしまう。中華料理店のマスターが幸江に想いを寄せ、幸せにしたいと言うが、幸江はイサオに「好きだといってよぉ」なんてすがってしまう。上巻はひたすらこんな感じ。書いていると悲惨だが、みなどこかユーモラスで、ははは、と乾いた、しかし妙にあきらめたような笑いが浮かんでくる展開だ。自分がこうなるのはいやだが、人の不幸な生活は、時には笑えるものだとわかる。下巻になると少し雰囲気が変わってくる。とはいえ、幸江が幸薄いのは同じ。母親が家出をし、借金取りが家 に来る毎日。ぐうたら親父のせいで、小学生の頃から新聞配達をする幸江。高校に入り、熊本さんという友達ができる。同じように貧しくて、いじめられている女の子。高校を出て、故郷を捨てて東京に出る幸江。そこで、イサオとのなれ初めも描かれている。そして、感動のラストとなるわけだけれど、作者が最初からこのラストを想定していたのか疑問に思っている。幸江というキャラクターの不幸と、けなげさに引っ張られて出来た奇跡じゃないかと思っている。4コマギャグでありながら、不思議に哲学的で、感動的なラスト20ページ。幸江はイサオの子供を身ごもる。母になり、自分を捨てた母を恨んでいた気持ちから開放される。最後の章は、幸江の書く母への手紙がモノローグとして語られる。「この世には幸も不幸もないのかもしれません。私たちは泣き叫んだり、立ちすくんだり…。でもそれが幸や不幸ではかれるものでしょうか。幸や不幸はもういい。どちらにも等しく意味がある。人生には明らかに 意味がある。」一度は裏切った熊本さんと再会し、涙を流す幸江。貧乏で、学校の鯉まで盗んでいた隈本さんは結婚して幸福になっていた。別になんてこ とない、生きるのが下手な負け組の女性の話である。しかし、どこか共感し、幸江と一緒に泣き笑いしてしまう。不幸にも、幸福にも、意味はある。
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