本好き日記

本好き腐女子の読書日記を綴るブログです!

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アサッテの人

アサッテの人 ¥ 1,575 諏訪 哲史 講談社 (2007/7/21) 第137回芥川賞の作品です。ストーリーは複雑ではない。失踪した叔父の住んでいた部屋を片付ける主人公。叔父は主人公の家で育ち、兄弟のようにして暮らしてきた。昔から吃音に悩まされていた叔父は、時々、「ポンパ!」「タポンテュー!」などの奇声を発していた。片付けをするうちに彼の日記を見つけ、彼の人生を小説にしようと格闘する。叔父が結婚していた女性の日記から垣間見られる生活、叔父がエレベーター管理の仕事をしていたときの、エレベーターの中でズボンと下着を脱いでしまう不思議な男性の姿など、おもしろい描写がある。この小説の一番の売りは、ストーリーそのものではない。主人公が、叔父の人生を小説にしようという小説、という一種独特な書き方、また言葉に徹底的にこだわった文章にある。「あちらこちらに未だ田畑を残す町並を、バスはのろのろと寝ぼけたように進んでいった。と、書いたところで不意にポンパときた。虚を浸かれた拍子に続く言葉を眼前からとり落とし、無様にうろたえる今の自分の面の皮などまだ捨ておけるにしても…」中略「幾十枚かの草稿を経て、結果やむなく折合いをつけることになりそうな『アサッテの人 』最終稿の書き出しがすなわちこれである。最終稿、ここはより正しく最終草稿としておくべきか、現段階での作者のジレンマをもっとも忠実になぞる書き出しであるにはせよ、これを晴れて決定稿として捉えるのには、躊躇がないわけではない」
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